【埼玉県】「専任技術者」から「営業所技術者等」に変更|改正建設業法「現場技術者の専任合理化」を解説

令和7年2月より、埼玉県の建設業許可手続きでは、これまでの「専任技術者」という名称が「営業所技術者等」に変更されました。

これまで慣れ親しんだ「専任技術者」の名称がなぜ変更されたのか?

この背景には令和6年12月13日に施行された建設業法の改正があります。

では、建設業法の改正でどんなことが変更になったのか?

今回の改正では、名称の変更だけでなく「現場技術者の専任合理化」が図られ、一定の条件をクリアすれば専任工事現場での主任技術者・監理技術者・営業所技術者等(専任技術者)の兼任ができるようになりました。

そこで今回は、

  • 「専任技術者」から「営業所技術者等」への名称変更
  • 現場技術者の専任合理化

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

【改正建設業法】「専任技術者」から「営業所技術者等」への名称変更

改正建設業法では、これまでの「専任技術者」を

  • 一般建設業者の専任技術者⇒営業所技術者(建設業法7条2号)
  • 特定建設業者の技術者⇒特定営業所技術者(建設業法15条2号)

と、一般建設業と特定建設業で名称を区分することになりました。

この改正に伴い、「営業所技術者」と「特定営業所技術者」の総称として「営業所技術者等」を用いることになりました。

埼玉県もこの改正に伴い、建設業許可手続きの申請書類の記載が「営業所技術者等」に変更されました。

【改正建設業法】現場技術者の専任合理化

”引用元|国土交通省「【建設業法】現場技術者の専任合理化(R6.12.13施行)」”

令和6年12月13日施行の建設業法では、「現場技術者の専任合理化」を目的として以下の改正がなされました。

  • 配置技術者(主任技術者・監理技術者)の専任工事現場の兼任(※「専任特例1号」)
  • 営業所技術者等(専任技術者)の専任工事現場の兼任

配置技術者(主任技術者・監理技術者)の専任工事現場の兼任

”引用元|国土交通省「【建設業法】現場技術者の専任合理化(R6.12.13施行)」より、専任の下限金額を修正”

これまで、は、以下の条件の工事現場には専任の配置技術者(監理技術者または主任技術者)を置くことが義務付けられていました。

  • 「公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事(※個人住宅や長屋を除くほぼすべての工事)」で、
  • 請負金額が「4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)(※)」の工事

    (※)令和7年2月の建設業法施行令改正により、従前の「4,000万円(8,000万円)以上」から引き上げされました

これが今回の改正によって、以下の条件を全て満たせば配置技術者の兼務が認められるようになりました。

要件詳細
請負金額1億円(建築一式工事は2億円)未満
兼任現場数2現場まで
工事現場間の距離1日で巡回可能かつ移動時間が概ね2時間以内
下請次数3次まで
連絡員の配置監理技術者等との連絡を行う者を配置
施工体制を確認する情報通信技術の措置遠隔から現場作業員の入退場が確認できるシステム導入
人員の配置を示す計画書の作成、保存等国交省HPに参考様式あり
現場状況の確認のための情報通信機器の設置遠隔の現場と必要な情報のやりとりを確実にできるスマホ、タブレット、WEBシステム等導入

営業所技術者等(専任技術者)の専任工事現場の兼任

”引用元|国土交通省「【建設業法】現場技術者の専任合理化(R6.12.13施行)」

営業所毎に専任で置くことが求められている「営業所技術者等(専任技術者)」は、これまでは専任工事については、配置技術者を兼任することが一切できませんでした。

これが今回の改正によって、以下の条件を全て満たせば専任工事でも営業所技術者等と配置技術者の兼務が認められるようになりました。

要件詳細
工事契約当該営業所において締結された工事であること
請負金額1億円(建築一式工事は2億円)未満
兼任現場数1現場
営業所と工事現場の距離1日で巡回可能かつ移動時間が概ね2時間以内
下請次数3次まで
連絡員の配置監理技術者等との連絡を行う者を配置
施工体制を確認する情報通信技術の措置遠隔から現場作業員の入退場が確認できるシステム導入
人員の配置を示す計画書の作成、保存等国交省HPに参考様式あり
現場状況の確認のための情報通信機器の設置遠隔の現場と必要な情報のやりとりを確実にできるスマホ、タブレット、WEBシステム等導入

「営業所技術者等(専任技術者)の専任工事現場の兼任」の注意点

なお、「営業所に近接している専任以外の工事」における「営業所技術者等(専任技術者)の配置技術者との兼務」については、従前どおり一定の要件を満たせば兼務可能です。

また、今回の改正では、「営業所に近接していない専任以外の工事」についても「専任現場の兼任要件」を全て満たせば兼務可能となりました。

ただし、ここまで説明してきた、

  • 「専任工事の兼任」
  • 「営業所に近接している専任以外の工事の兼任」
  • 「営業所に近接していない専任以外の工事」

上記の3つを併用することはできません

たとえば、「専任工事と兼任」している場合は「営業所に近接している専任以外の工事の兼任」は同時にできないということです。

まとめ|埼玉県の建設業許可のことなら行政書士宮下太陽事務所へ!

令和7年2月より、埼玉県の建設業許可手続きで「専任技術者」が「営業所技術者等」に変更された、その背景である建設業法の改正ポイントについて解説しました。

建設業許可を維持するためには、工事現場を管理する各技術者の要件をしっかり理解することが大切です。

うっかり建設業法に違反するような管理体制になってしまわないためにも、専門家である行政書士のサポートを受けることをおすすめします。

行政書士宮下太陽事務所は埼玉県久喜市に拠点を構え、埼玉県内はもちろん、隣接する都県にも対応可能な行政書士として、建設業の許可申請や関連業務をサポートしています。

建設業許可のことでお悩みなら、ぜひ当事務所にお問い合わせください。

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